中日本地区のラジオ抗争へ今すぐ参加せよ -独断と偏見で語ったり紹介したりするガルラジ-

f:id:m_kichi:20190203231952j:plain

むこうぶち-高レート裏麻雀列伝-より引用


まあまあ、ある一時期から自分のTwitter上におけるタイムラインではこういう人でなし達が爆増したりしていたわけなのですが。
その原因はまあともかくとして、そんな人でなし達が年明けてからいきなり、毎日延々と『ガールズラジオデイズ』略してガルラジなる謎のプロジェクトについて興奮して語り始めたんですよ。

 

 

そりゃ気になるでしょうよ。気になりますよ。
何せそういう人達と相互フォローということは自分自身そういう人でなしの一人であるわけで、毎日流れてくるプロジェクトについての情報を眺めていると何かしらの"匂い"を感じてしまわざるを得ないですよね。
匂い……かな……ここ(ガルラジ)の匂いにつられて……。

で、まあ、調べてみるとガールズラジオデイズ、読んで字の如く二次元世界に住まうガールズがあたかもこちらの世界に存在するかのようにラジオ番組をお届けするという新たな形の2.5次元プロジェクトだったわけですが。
元々ラジオ番組を聴くのが結構好きなのもあって、実際に飛びついてみるのに然程時間はかからなかったですよね。
そしたらものの見事にハマってしまった……と言うほどでも今のところはないけども、「刺さっちゃったな~……結構深いとこ……」という感じにはなってしまっていて、まんまとしてやられたと言いますか。
人でなし達のガールズラジオマーケティング
略してガルマにしてやられたと。
そういうのはともかく、2.5次元はアイドル、バンドと来て次はラジオかよというのは一見すると安直に思えますが、実際触れてみるとかなり面白い構造をしていて、こういうジャンルが今後どこまでいってどうなるのかということを考えるための一つのサンプルとしても非常に興味深いし、まあ何よりチーム徳光が最高なので、ガルラジ全体というより主にチーム徳光がどうなっていくのか見届けたいみたいなところもあり。
それら引っくるめてより多くの自分と同じような人でなし達に勧めてみたいなと自
分自身思わされてしまいました。まんまと。病原菌のキャリアーみたくなってますが。
まあ、なので、ガルラジという企画全体と各チーム(ガルラジは五つのチームがラジオで争う世界観なのだ)それぞれ聴いてみた上での印象とか感想とか、以下から自分のそれをまとめることで他者に対する勧誘のような、そうでなくとも単純に自分の意見を勝手に書き残しておくだけのような、まあ何らかのものになればいいなと思いながら適当書いていこうかなと思います。

 

 

 


各チームそれぞれの印象とか


まあまあ、いきなりチームとか言われても知らない人には何がなんなのかサッパリわからないと思うので、最初に軽く説明しておきたく思います
ガルラジは中日本地区に点在する五つの高速道路上のSA・PAから、その名前を冠したそれぞれ五つのチームがラジオ番組を発信しており、そのチーム同士、ラジオ番組同士がランキング形式の戦いを行っていて、中日本の覇権を競い合っていた……りするわけでは全然なくて、成績が悪いチームの番組は打ち切りというシビアな設定のプロジェクトとなっております。
中日本地区で!? 五つのチームが!? という辺りに悪い意味で惹かれるところはあったりするんですが、別に今のところはそれほど各チームがお互いバチバチにやり合っているわけでもなく、各チームも悪い方に尖っているわけでもない(しかし一部はビンビンに尖っている)ので、そこら辺の何かを彷彿とさせる設定が面白いというわけでもなくて。
じゃあ何が面白いのかというと、まあやはり五つのチームがそれぞれ全く毛色の違うラジオ番組な辺りだったりもするので、そのそれぞれのチームの番組を実際聴いてみての印象なんかを個人的な好み交えつつここにまとめていきたいなと。
そうすることで知らない人にも各チームの簡単なイメージを掴ませつつ、興味を惹かれたチームから聴き始めてみて欲しいなどと画策していたりするわけですよ。はい。
まあ、以下からそんな感じで読んでみてください。

 

 

 


チーム岡崎

 

ガールズラジオデイズという名前から最初にどんなラジオ番組を想像するでしょうか。
恐らくその想像まんまの番組をやっている
のがこのチーム岡崎の番組なんですが。
現役女子高生かつ放送部員の仲良し三人組が繰り広げる青春系ガールズトーク
格闘ゲームでいうところのリュウみたいなポジションですよ。プレーンというか、クセのない操作性のやつ。
まあ良く言えば王道なんですけども、悪く言えば真っ直ぐすぎるというか。
本当にどこまでも女子高生の部活レベルの番組なんで、高校の頃に放送部がお昼に流してる校内放送を「クソつまんねーな……」と思いながら誰もいない日陰で弁当を食っていた暗黒の記憶が蘇ってくるような味というか。まあそんな記憶はウソなんですけども。
で、トークもいわゆるそんなですから、聴いてて耳が滑りまくるというか、背中が痒い!痒いよぉ!ってなっちゃうところも多くて。
個人的にはそういうところがあんまり好みじゃないし、ガルラジという字面から知って、そこにこの番組しか存在しなかったらダメっぽいなこの企画……と思ってしまいそうなというか。
なのでガルラジどれから聴こうかなと迷ってる人にもあまり個人的にはオススメしがたいかな、と。いやまあ、今の時点でガルラジに"匂い"を感じるようなケダモノ達にはという意味ですけども。
人生真っ当な道を歩む女子高生達の輝かしい青春を覗き見ることでしか性的興奮を得られないタイプの倒錯者とかには一も二もなくオススメ出来るんですけども。
そうでなくとも、ガールズラジオデイズという言葉から想像出来る感じのやつこそが聴きたいって人にも最初ならこれなのかなとは思います
まあ良くも悪くも看板としての綺麗さを持ってるので、これが後々大多数の人の入り口になるのならばこうあるべきだなとも思います。
番組本編自体も回を重ねる毎に真っ直ぐ青春の悩みやガルラジのランキング制度にぶつかりつつ、それを乗り越えていく様子などが描かれていて、結構そういう青春モノとしての真っ当な良さみたいなのもあるなと感じられたりしてきておりますので。
そんな感じで毎回色々と成長していく、単品のラジオ番組というより物語として楽しむべきなのかなとか思います。
それこそこの記事の最後に言っているように実はガルラジのコンセプト的には一番描きたいところかもしれませんし、まあやはり良くも悪くもガルラジというなら岡崎なのかもしれません。
けれどまあ、捻くれた人にはやはりコンテンツに慣れてきてから聴いていくのをオススメしますけども。

 

 

 

 


チーム富士川


五つのチームの中でのトップを目指す意識の高いチームという公式設定の通りに、非常に良く出来た番組を放送するチームが富士川です
実際聴いていても、「あー、良く出来てんなー」と感じます。
掛け合いとか、番組構成とか、コーナーとか、三人チームのそれ
ぞれのキャラクターとかがしっかり計算されていて、一番人気が出るように作られていそうというか。
番組自体も良く出来てるガールズラジオだなという感じ。オタクが好きそうだなー、と言いますか。
全体的な雰囲気も今のトレンドっぽいオシャレさとスタイリッシュさを持っていて、キャラデザなんかもそんな感じで。
今後このプロジェクトがよりハネるとして、入るならここからってオタク多そうだなぁ、と。で、ここが一推しのままと。
まあ、そんなチーム富士川なんですけども、良いところを散々並べ立てましたが悪いところはというと実は今まで挙げたところ全部だったりもします。
まあ何か、そういう"上手くやってる感"が個人的には鼻につくチームだなぁというか。単にお前の好き嫌いじゃねえかみたいな話にはなってしまうんですけども。
設定にもあるような意識高いところというか、こういうのがウケそうという計算の下で作られていて実際ウケちゃうんだろうなみたいなところが、捻くれ者の自分的にはあんまり受け入れにくいなぁという感じで。
番組自体も本当に良く出来ているんですけども、良く出来すぎているが故に面白味に欠ける印象があると言いますか。
ガールズラジオが好きという人にはいいんですけど、単純にラジオが好きという人にはキツい部分もあるなぁと(白糸結の演技とか)。
キャラクターも良く出来てる分、作り物感が出てしまっている感じがあって、うーんと言いますか。
年魚市さんとか、如何にもオタクにウケそうとい
う感じが何か現実感なくてなぁ、と。
まあ実際全部作り物ではあるんですけども、後述する個人的に考えているガルラジの面白さ
とは合わないように感じてしまったりして。
でも合う人には凄く合うんだろうというか、大多数の人には合いそうなんですけども、極少数の合わない人はとことん合わない感じのチームだと思いました。
良くも悪くも一番人気であるが故の宿命といいますか、最大公約数を求めた強さと弱さを併せ持ったチームだと個人的には思っています。
まあそんな富士川の最新回では年魚市さんが人間としての心を獲得してしまったせいで番組のバランスが崩れ始めるというドラマが展開されていたりするので、今まで挙げた全部の印象引っくるめて公式の計算かもしれなかったりするのですが。
そういうところで先が気になったりはするので、まあそれも引っくるめてやはり一番上手いチームなのかなと。
要約しちゃうとナナシスとか好きなオタクが好きな感じなんじゃないですかね(物凄く失礼な偏見)。……いや、ごめんなさい。

 

 

 

 

 

チーム徳光


さて、やって来ましたよ。ガルラジ最強(個人的意見)にして最大の問題児、それがチーム徳光こと手取川海瑠である。
まあまあ、自分がガルラジで一番最初に聴き始めたのもチーム徳光からで、何故かと言うと元々自分がラジオは一人喋りの番組の方が好みだからでして、それでガルラジの中では唯一孤軍奮闘一人喋りのチーム徳光を最初のポケモンに選んだわけなのです
そして、この選択がいやー、大正解でしたね。今のところ全ての回が怪作の雰囲気を纏った凄まじいチームなんですよ。
パーソナリティーは思春期真っ只中、反抗期真っ只中、中二病真っ只中で、石川県のド田舎在住な超等身大現役女子中学生の手取川海瑠ただ一人。
そんな、パッとしない地元や周りの大人全てに噛みつきたがりながら、都会への無知で無邪気な憧れを振りまく、どこにでもいる女子中学生手取川がラジオを通じて痛々しいまでに全国へと自分を曝け出し、思春期の痛みと苦しみに七転八倒のたうち回る様を包み隠さずお届けするのがこのチーム徳光の番組なのです。
いやー、もうこれが本当に凄い。凄いとしか言い様がない。
完全に冒頭に書いたような人でなし達のストライクゾーンど真ん中なラジオ番組なわけなんですよ、これが。
根拠のない自信と行き場のない反抗心を抱え肥大化した自尊心を持て余す、そんな!
そんなこっち側に一番近いような女子中学生が、周
囲の環境や思い通りにならない立場や正しいとも間違っているとも言い切れない時期の自分の精神との葛藤に藻掻き苦しむ様をラジオを通して眺めることに得も言われぬ快感を覚えるタイプの人でなし達が群がる番組、それがチーム徳光なんですよ。
そして、その行為は別にそこから愉悦を得ているだけというわけでもなく、手取川がそうして世に叫びながら当て所なく彷徨う姿にかつての自分のそんな時期を重ねて、懐かしい痛みと己にも昔はあったような純真さへの喪失感を覚えながら自分自身をも虐めつつ、それらのドロドロに澱んだ精神ヘドロの底に微かに存在する(頑張れ……! 頑張れ手取川海瑠……!!)という純粋な応援の気持ちと共に見守ってもいるような、そんな複雑に捻れきったド変態行為なんですよ。
ここまで熱く、そして恐ろしく気持ち悪い情念で述べてきたチーム徳光という概念に対する個人的な解釈に何かビビっとくるものを覚えたド変態達よ、いいから今すぐチーム徳光のラジオを聴いてくれ!!
とまあ、そんな歪んだ魅力とは別にしても、一ラジオ好きの観点から見ると実はラジオとしてもチーム徳光が一番面白いという真っ当な強さも存在していると個人的には思ってもおります。
ガールズラジオ、ガールズトークというテーマを標榜している企画でありながら何故かこの番組だけノリが深夜ラジオっぽかったりとか。
徐々に確立されてきた他者や地元を腐しながらも回り回って自虐トークに戻ってくる独特のスタイルや、中学二年生とは思えぬレベルに不自然な間を空けることなく一人で喋り続けながらも小ヒットを連発していく卓越したトークスキル、出し入れ自由になった元主人格にして今は別人格ことプリンセス・ミルミル、ブースの外から援護射撃に見せかけたデッドボールを放ってくるマネージャー吉田などの幅広い要素を軸にキラキラなガールズトークからはかけ離れたシュールな一人喋りラジオと化しつつあったりとか。
それらを全部合わせて、痛々しい中学生なだけじゃない、天才、いやマジで歳考えると本当に天才としか言えない天才ラジオDJ手取川海瑠の普通に笑える面白トークもチーム徳光の大きな強みと魅力であると個人的には思っています。「波よ聞いてくれ」が好きな人なら絶対好き。そんな感じ。
そして、そんなユーモラスな番組の皮の中に包まれて上手い具合に時折顔を見せる真っ直ぐで純真な少女としての手取川海瑠の主張や信念、恐らくラジオの形で展開するドラマとしての側面も持つこのプロジェクトにおけるチーム徳光のドラマ「今は大嫌いな地元や大人達とどう折り合いをつけて自身も大人になっていくのか」という問題の今後の進展、そこら辺も全部引っくるめて、徳光と手取川は非常に面白い番組であり物語になっていると思います。
まあ、何だかんだガルラジに今ちょっとハマっている切欠であり、一推しなチームなだけにかなり説明と感想に熱が入ってしまいましたが、それでもプリンセス・ミルミル時代を通して聴くのが中々最初の試練だったりとか、普通に放送事故多目だったりとか、青臭すぎる感じは人によっては好みもわかれそうとか、色々と欠点もあったりするとも思います。
しかしそういう欠点も全部引っくるめて自分はチーム徳光の魅力かなと、思ってしまうくらいには盲目的に好きになっちゃっているので、ここまでのことは話半分に聞いておいてもらいつつ、もしそれでも貴方が何かここから"匂い"を嗅ぎ取ったド変態の一人であるならば、是非ともチーム徳光からガルラジに入門してみてください。ていうか徳光だけでもいい。
そんなド変態向けのチームです。

 

 

 

 

 

チーム双葉


山梨最強の三姉妹が地元からアットホームでドメスティックでゴキゲンなラジオ番組をお届けするぜ!
そんな仲良し姉妹がキャピキャピしながらお送りする番組という設定だけ読むとなんだかなぁと思いがちな印象とは裏腹に、実はこの番組、個人的には全チームの中で一番、圧倒的に耳に優しくて聴きやすい番組だと思っていたりします。
その理由を、番組を紹介しつつも自分の中でまとめるために考えていきたかったりもするので、まあ以下からそんな感じで。
まず三姉妹と言っても年の近い三人というわけではなく、結構変則的な姉妹構成だったりしています。
メインとなるのは山梨県は甲斐最強の双子姉妹(自分が勝手につけたキャッチフレーズ)こと、19歳の玉笹姉妹。
この二人の関係というか雰囲気がここで安易な例えに出すのもどうかなぁと思いつつ、個人的にはとにかく雨宮兄弟に非常に近しいものがあると勝手に感じていたりするのです。
なので、あの兄弟を知っている人はまずこの双子が雨宮兄弟だと思って聴いてみていただきた
い。
明るく陽気で若干三枚目かついい加減な性格で妹には軽んじられ気味の姉、玉笹彩美。
冷静かつ現実主義で姉のことは軽く見つ
つも放っておけない真面目な妹、玉笹彩乃。
基本的にはこの二人が普段はいがみ合いつつも、肝心なところでは息が合っているような合っていないようなやっぱり合っていないかもしれない、そんなトークを繰り広げるのが番組の骨子となっています。
そして、その双子の間に挟まる形で存在するのが、そんな二人と結構歳が離れた末の妹、玉笹花菜。
普段は互いに反発しつつ息も全く合っていない双子が、この末の妹を溺愛することにかけてはピッタリと息が合っており、そんな姉に溺愛される末の妹も姉二人よりも余程しっかり者の出来た妹で、無邪気に姉二人の手綱を握って番組をコントロールしています
つまり雨宮兄弟に二人が溺愛する末の妹がいるような感じを想像して欲しいんですが…………うん、良い。いや、本当にめっちゃバランス良いんですよこの関係性。
そんな感じで、このチーム双葉の番組がコンセプトの割にやたら聴きやすくて心地良く感じる理由の一つがまず双子の玉笹姉妹の関係性とか二人の性格にあったりするのですが。
二人共に割とサバサバかつサッパリとした、女の子女の子しているというよりは若干男性寄りの中性的な性格をしていて(その根底は双子で共通している)、姉妹と言うよりは本当に兄弟のような関係性で、それ故に二人の会話もキャピキャピした耳が滑るようなガールズトークにはならずに、軽妙かつテンポ良くボケとツッコミを繰り返していく安定感のある会話となっています。
そのせいなのかなんなのか、何となくこの双子の関係がどんどんと百合……というよりはむしろBL寄りのそれっぽく見えてきてしまうんですよ。
普段から適当で情けなくて姉の威厳も何もない、そんな自分へ小言と嫌味ばかり向けてくる妹に辟易しつつも、何だかんだ姉として妹にいいところは見せたいし大事に思っている彩美。
真面目な自分とは相容れない楽観的かついい加減な性格をした姉を普段は疎んじ皮肉ばかりを投げつつも、本気で嫌ってはいないし心配もしつつ見放せない彩乃。
そんな双子の互いへの複雑な感情がジワジワとゆっくり伝わってくる番組内でのトークがこう……良いんだよね。
本当に、最初に見るビジュアルや印象からは全く想定出来ない角度でぶっ刺さってくるんですよ……。
そして、そんな二人が溺愛する末の妹、花菜の存在。これがまた絶妙に良い。
何故かイケメンBLっぽい雰囲気を醸し出すそんな双子の姉妹が、自分達よりかなり年下でしっかり者の妹を溺愛しているこの構図。
夢だよね……。夢じゃんこんなの……。少女漫画だぜ……別マ連載系のやつね……。
というわけでこの番組が聴きやすい、というかむしろ聴いてて「はぅぁぁ……!?」とたまにドキドキすらしてしまうような理由は主に上記のような部分にあるのではないかと個人的には考える次第ですよ。
まあ、そうでなくとも共に暮らして気心の知れた家族の関係というのは、友人やラジオを通じた仕事仲間とかよりもトークにおける間合いの取り方が絶妙に上手くて心地良いのです。
行き過ぎもせず、かといって不足しているわけでもない、絶妙なバランスで恐らく破綻することのない会話というのは五つのチームの中で一番安心感があって、それ故の番組の聴きやすさというものにも繋がっている気がします。
チーム徳光には一人だけでやるが故の強さがあるなら、チーム双葉には多人数でやるが故の強さが一番存在していると思います。
そんなチーム双葉に欠点があるとするならば、やはり良くも悪くもその圧倒的な安定感が強さと表裏一体の弱さであると言えるかもしれません。
最初からガッチリ完成している関係性は他チームに比べて回を重ねることによる成長と伸び代に欠けると思われるし、家族でゆるっとアットホームにお届けする番組は目的意識に欠けている印象があり、他と比べて最新回までにガルラジのランキング制度に関わったりラジオをやることでどうなっていきたいかのようなドラマらしいものが展開されていないという現実もあります。
まあ、今後そこら辺のことをきっちり織り込んだドラマが展開されていくのかもしれませんが、今のところは一番安定している番組という強さと、波乱が少ないが故の弱さが混在している番組となっています。
とはいえ、チーム双葉のドラマはこれだけいい材料が与えられているならばむしろこちらが勝手に妄想していってしまった方がいいかもしれないし、そういう強さも一番所持しているチームだとも思われますね。
姉妹が大渋滞!の2019年(自分が勝手にそう思っている概念)に恐ろしい勢いで食い込んできた新たなアツい姉妹関係こと玉笹姉妹。
キャラクター同士の奥が深い感じの関係性が欲しいタイプの人にはまず間違いなくぶっ刺さるかと思われますので、そういう自覚があるならチーム双葉から聴き始めることを強くオススメする次第でありますよ。

 

 

 

 

 

チーム御在所


古今東西あらゆる雑多な知識に精通し、それらを活かした調査研究にも秀でたガチの天才小学六年生である神楽菜月を中心に、その活動を金銭面からサポートするパトロンの超お金持ちかつ小学生に心酔する変態女子高生の穂波明莉と、同じくそんな天才小学生に心酔し下僕のように傅く助手の変態大学生徳若が、この世のあらゆる怪奇現象を調査・解決するために結成した組織。
それがカグラヤ怪奇探偵団であり、その広報活動の一環としてラジオ配信を行っているのがチーム御在所である。
そして個人的には五つのチームの中で、この御在所が一番怖いと思っています。
それは別に脅威というわけではなく、単純に訳が
わからなすぎて怖いという意味なのですが。
何せ最初に長々と書いたようなちょっと何を言っているのかよくわからない、設定段階で空中分解すること必至と思われるようなこのラジオ番組が意外とバラバラにならずにきっちりまともにラジオとして動いているのがまず途轍もなく恐ろしい。
実際聴いていてもどうしてこの番組が破綻せずに成り立っているどころか意外と普通に面白く聴けてしまうのかまるでわからないんですよ。
いや、理由は何となくわかってはいるんですけども。
その鍵となるのが変態女子大学生の徳若であり、この徳若が変態でありながらも妙に番
組を回す力が高く、空中分解しそうな番組をギリギリ繋ぎ止めながら毎回完走させているんですよ。
その他おっとりしていて何事からもズレていそうな穂波も意外と締めるところはきっちり締めて番組を進行する能力があり、ラジオにあまり興味が無い団長の神楽菜月も自分の得意分野の知識を披露する際には淀みなくスラスラと面白い解説をすることが出来ます。
まあ本気でやれば凄い三人が、敢えて番組が破綻しない程度のギリギリの力しか出さずに手を抜いて走っているような、そんな番組という個人的な印象なんですが。
そんな番組の内容はというと、こちらもガールズトークというよりはテレビのバラエティー番組によくある怪奇現象検証モノをそのままラジオにしたような、五つの中で一番の変わり種番組となっております。
変態徳若がどうにか用意出来るカグラヤ内のギリギリの日常ガールズトークを回しつつ、視聴者からの投稿による怪奇現象報告を検証しながら団長神楽がそれについて百鬼夜行シリーズのような学術的知識を解説し、穂波と徳若がそれをヨイショしつつ調査報告を行って締めていくというのがようやく確立されつつある番組の基本スタイルでして。
聴いていて面白いことは面白いのですが、正直これは一体何味の食べ物を食わされているのかわけがわからなくなってくるのも本音であり、聴いてる間中「何味……!? ねえ、これ何味なの……!? 怖いようッ」という感覚に毎回襲われてしまっておりますよ。
それをして五つのチームの中で一番怖い番組であり、一番わけのわからないチームという個人的評価なのですけども。
番組構成も非常にふわふわとしていて不定形なのですが、それが回を重ねるごとにどうにか形が定まってきつつある辺りはある意味最も成長性のあるチームということなのかもしれないですけども、スタートラインにすらついていなかったのがようやくスタートまで辿り着きつつあるだけのような気もします。
とにかくまあそんなわけのわからなさが確かに一つの魅力ではあり、それが意外にも不思議な面白さに繋がっているのも含めて御在所の強さなのですが、同時に弱点もそのわけのわからなさに存在しているように思えます。
御在所を応援する目的が見えてこないというか、彼女達に肩入れするわかりやすい理由みたいなものが殆どなかったりする辺りがそうと言うか。
わけのわからないミステリアスなところが魅力なので、御在所がガルラジに懸けるわけがわかるような安いドラマが挟み込まれてしまうとその強さがなくなってしまうわけなんですが、それ故にラジオに拘ることで発生している他のチームのような強さを手放してしまってもいるように感じられたりします。
チームメンバーの関係性もラジオ配信を通じて成長していくというよりは、元々別のサークルで強固に固まっているものがスライドしてきてラジオをやっているだけなので、そこら辺の要素も双葉に次いで弱いかもしれないと。
というか番組を聴けば聴くほど、番組の中で徐々に明かされるカグラヤ怪奇探偵団の普段の活動の方がラジオ番組よりもよっぽど一つのストーリーとして拝んでみたいものとなっていたりします。
何だその三重県四日市にあるどこかのアパートに書斎つきのアジ
トを構えて普段は三人各々そこにたむろしており、依頼があれば出動する怪奇現象調査探偵って。超気になるから別の独立したプロジェクトとしてやってくれ。
そもそも番組本編でも今回のガルラジ参加はカグラヤ怪奇探偵団の世間への広報活動が主な目的であり、ラジオ番組としての成否はどうでもいいと公言すらしてしまっていたりもするのですが。
カグラヤ怪奇探偵団自体そのようにラジオをせずとも別の重要な本業があるグループであり、番組開始の時の配信を見に来るほどの元々の熱心なファン層なども既に存在していたりもします。
一番ラジオ活動に熱心な変態徳若も探偵団の新参としてラジオで二人と交流を深めたいというわけでもなく、普段の助手としての探偵団での活動で十分二人と仲を深めているし充実しているように見受けられたり。
最新回までにも探偵団の広報と日常の限定的な情報公開はあれど、ラジオ活動から今後発展していくようなドラマは全く存在しておりません。
まあ恐らくそれも意図的に設定されていることだろうとは思われるし、ランキングの結果に左右されることのない独立した面白さを持ったラジオ番組という存在も気楽でいいし、必要なポジションなのかもしれません。
ガルラジの第一期は全六回。そこで例えランキング最下位のまま番組が終わることになってしまったとしても、カグラヤ怪奇探偵団の広報活動としては十分な成果を得られたものとして走り抜けてしまいそうな雰囲気もあったりします。
まあそれはそれで本当に正解なのでしょう。応援する方もカグラヤ怪奇探偵団の不思議な日常がもっと見てみたいという目的からでしょうし、その終わりがどこにあっても大した問題でもないのかもしれません。
とまあ、そのようにガルラジのコンセプトから一つだけ外れた存在としての強さと、それ故の弱さのある不思議さと恐ろしさのあるチーム、それこそがチーム御在所なのだろうと個人的には考えております。
そんな御在所をどんな層に勧めればいいのかと言われると、まあこれまでの四チームのどれも刺さらなかったなという人へ最終手段的に投与してみるしかないのかもしれないね……。
まあ後は上で書いてきたようなラジオとは特段関係ない謎のオカルトもの作品としての姿に興味を持つような人達にとかね。
まあまあ、そんなチームですよ、御在所。ラジオとしても実は双葉に次いで聴きやすい方だったりしますしね。そんな感じです

 

 

 

 

 

さて、ここまで延々長々と各チームの紹介文のような、単なる個人的な印象と感想のような、そんなわけのわからないものを書いてきましたが、最後にそんなガルラジというプロジェクト全体への自分の今抱いている正直な印象と感想、考察もどきなんかもまとめておきたく思います。

 


そうですね……ガルラジ、企画として魅力を感じたり面白いなと思った部分は、やはりまず全然味の違う五つのチームを用意してくれているところにあって、この幅の広さがまず一番良いところだなと思いました。
こういう感じの企画ってチームが分かれていると言っても大体が岡崎か富士川みたいなチームが大した差もなくダラっと集まりがちなところを、徳光とか御在所みたいな頭おかしいゴリゴリに尖ったチームがちゃんと混ざっていて、企画の味に相当な深みが増しているところがとても好きだし、上手いなぁとまず一番に感じておりますよ。
そこ以外で肌に合ったところは、キャラクターの肉付けっぷりですかね。
まあまあ、ラジオという媒体で2.5次元をやるには、キャラクターの担当声優さん達が実際に踊ったり楽器を演奏して現実でもその存在を補強してくれるというようなことが出来るわけでもなくて、単純にラジオを発信しているキャラクターがいるという設定しかないわけですから。
なので、この企画はそんなラジオ番組を通して伝わる少女達の性格や思考、精神などを我々が受け取り、感じ取ってひたすら彼女達の実在を己に信じ込ませていくという狂気の荒行が必要とされる上級者向けコンテンツでもあるわけなのですが。
まあ、そういう結構マゾめの楽しみ方が個人的には水が合ったし、好ましいなと思っているところでして。
そして、そんなラジオの向こうの少女達の実在を信じるための手助けとなる、ラジオ番組内でのキャラクター達の生々しさが非常に良い感じだなと思っております。
特にチーム徳光なんかの、手取川海瑠の一人の人間としての生っぽさ、まるで彼女がちゃんと現実世界に存在して生きている、独立した思考を持った人間であるかのように感じられる生っぽさみたいなのがとても良いのではないかと。
そういったものを軸にして、実在するSAやPAという場所、少女達が番組内で話す地元トーク等からその土地に彼女達が実際に住んでいて生活しているんだと空想してみることで、何かこうエモーショナルなものを得られるのは、なるほどこのガールズラジオデイズというコンテンツの発する新しい面白さなのかもしれないと自分は感じ、考えていたりします。
特に実在する中日本の場所が地元として設定にしっかり組み込まれていることは、その存在を信じ込む行為をより強固で質の高いものにするべく実際にその土地やSA・PAへ赴くという巡礼行為にも繋がっていて、実際ガルラジリスナーの先駆者達はすでに各々巡礼の旅へと向かってもいるようで、地域活性化という観点から見ても上手いやり方なのかもしれないと思います。
まあ、そんなわけで、個人的にガルラジで面白いと思っているところを長々描いてきたものをぎゅっと簡潔に圧縮してみると、

 

・五つのチームの個性とスタイルの幅が大きく広いことで、コンテンツ参加への間口も広くなっていること

・それぞれのラジオ番組から受け取れるパーソナリティーの情報や存在感だけを頼りに二次元の世界の人間が三次元に実在していることを信じ込んでみるという行為の面白さ

・そのためのキャラクターの設定や性格、思考の生々しさ、クオリティーの高さ

・その行為を高めるために実在する土地への巡礼を促すような作りの上手さ

 

こんな感じかなぁ、と。
まあ、それもこれもまだまだガルラジの浅瀬でチャプチャプしてる程度の自分が感じていることでしかないので、ここから更にキャラクターを演じる声優さん達個人への感情やラジオ本編とはまた別の声優さん達同士の番組アフタートーク等の面白さによってチームへの印象が変わってきたり、どのチームが自分の一番かというのも変わってくるのだろうとも思います。
思いますが、まあ自分はまだ声優さん達まで判断材料に組み込むほどハマりきれてもいないので、今は単純にキャラクターと番組だけから受け取れる印象をまとめただけということで。そういうものだと思ってください。

 

 

さて、ここまでガルラジの良いとこばかりを書いてはきましたが、これはどうなのと思うところもあったりはするので、最後にそれに関しても少しばかり書いておきたいな、と。
まあどうなのというか、惜しいなぁと感じる部分と言いますか。
そんなものとして挙げておきたいのが「双方向性の不透明さ」で
あったりしまして。
やっぱりラジオ番組の魅力の一つってお便り投稿を通じたリスナーとパーソナリティーとの交流にあると個人的には思っていて、そこで例え二次元の架空の存在であってもこちらと向こうがきちんと交流出来るなら、キャラの実在を信じて楽しむガルラジのスタイルにより説得力や面白さを付加出来ると思うんですよね。
しかしどうもその辺、こちらのお便りが本当に向こうに届いて採用されているのかが完全不透明で、というか恐らくされていないっぽくて
まあ、そもそもラジオ番組という体で一本のボイスドラマを0から構築しているようなものなのでお便りへの反応というのを積極的に組み込むのは難しいところもあろうなとは思うんですけども。
思うんですけども、それにしたってそこでここまで多分自分達は番組には全然関われてないんだなぁというのがわかってしまうのはどうかなと思ったりもしているんですけども。
そう思う原因が、まあガルラジのラジオ番組という体ではありつつもその番組一回一回を通じてキャラクターの心情などが変化していくドラマも同時に描きたいというコンセプトの辺りにありまして。
なので必然基本的にその回で展開したい感じのお話に偶然フィットした内容のお便りが選
ばれる傾向にあるんですけども、っていうかそんなお便りを単なるリスナーから送られるわけねえんだから完全にそっちの仕込みじゃねえかって。モロバレじゃねえかって。
そうなると番組内で読まれている投稿の一体いくつ程度が真実リスナーから送られてきたものか怪しく思えてくるのも当然なわけで、まあドラマありきというのはわかってはいるんですけども、先に書いたように結構な強みになりうるその双方向性の部分を自分達から潰しているのはどうなのかなと思ったりするわけで。
そんな感じで、じゃあガルラジにハマっても投稿者として関われるのかが怪しいとなると、どうやってこちらから向こうへ反応を送ればいいのかなというところで出てくるのがラジオ番組同士のランキング制度というものになるわけなんですけども。
こちらもまあ、なんとお便り投稿以上にこちらの意見が反映されているのかいないのか怪しい代物になっていて、そもそも毎回終わる度に発表されているらしいランキングは実はこちらの世界にはどこにも存在していないという……。
いや、どこで!? どこでその情報見られ
るの!?
いいえ、ランキングなんてもの最初から存在しないの、モルダー、あなた疲れてるのよ……。みたいな。

いや、これ本当にマジで、番組内で誰かがチラっと順位に触れるくらいの情報しか出てなくて、アプリから今回の放送はどうでしたか?というアンケートへの回答が送れるには送れるんですけども、まあ一体何に反映されているのかは完全に謎だという……。
こうなってくると、本当はこのプロジェクトというのは既に決まっているシナリオをラジオの形にして発表している感じの一方通行なものなんだろうなというのは薄々わかってきたりもしているんですけども。
でもそれじゃあラジオって一体何?という疑問や不満もないではないというか、それしかなくなってきたりもするんですが……。
ですが、そもそもどの番組も二週に一回の配信が全六回で一区切りになるらしいということで、いくらなんでも早すぎじゃない!?という部分からもわかるように、もしかしてリアルタイム視聴者参加型みたいなことは向こうは最初から想定していないのかもしれなくてですね。
ひとまずこの各番組全六回を一つの作品として発表し終えた上で次の一手をどうするのか考えているのかもしれないですし、まあまあこれまで挙げてきたような不満点もクソもガルラジってそういうものですしと言われたらぐうの音も出ないわけで。
ガルラジを聴く自分達の役割って何なんだろうというのも、そもそも役割なんてないとしたら納得ではありますし、先に長々書いたような「こういうプロジェクトなのかな~」という予測や楽しみ方も段々先が読めなくなっているというのも一つの現状ではありまして。
けれどまあその場合にしても、別にアプリに課金フォームがあるわけでもなく、今のところ何も企画に対して還元しようもない我々は大人しく与えられた物語だけを個別に楽しんでおくというのも一つの正解であるかとも思います。
その上で自分の感じた、信じた楽しみ方を貫いていけばいいというか。
少なくとも自分は「アタイ、春先になったらちょっと石川辺り旅
行してみようかな……」とかこの企画を通じて思わされてしまっているわけで。
だからまあ、実はあんまり小難しく考える必要は全くないのかもしれなくて、やはりただただラジオを聴けばいい。ラジオを聴けばいいのですよ。
ガルラジの基本にして究極は恐らくそこかと。
今配信されているラジオ自体はとにかく普通に面白いですから。

ラジオを聴いて、あの番組どうだったと語り合い、考察したいなら考察をし、妄想したいなら妄想をし、巡礼に行きたいなら巡礼に行けばいいんですよね。
そうやって各々好き勝手に楽しんでみるのもまたラジオというものの一つの在り方でしょうし、正解だとは思います。
なので、みんなでガルラジ聴こうぜ! 特に徳光! めっちゃ面白いからさ!
てなわけで、スタジオにお返ししま~す。(原作内での鉄板ネタで締め)